第11回生産宣言者インタビュー(肥後うらら出荷協議会)
「肥後うらら出荷協議会」会長 田多良龍清さん
木成り完熟果実を中心に広げる肥後うらら田浦ブランド
九州自動車道を南下し、田浦ICで降りるとすぐに見えてくる田浦のランドマーク、道の駅「たのうら」。出入り口前に植えられた田浦特産の甘夏と不知火をはじめ、敷地内には甘夏や不知火、ポンカン、晩白柚、清見、レモン、日向夏、スイートスプリングなど、20種類以上の柑橘類が植えられています。道の駅に併設されている物産館「肥後うらら」では、「肥後うらら出荷協議会」が生産した果実をはじめ、野菜や農産加工品などが販売されています。現在、物産館に出荷している生産者はおよそ150人。そのうち半数以上の方がくまもとグリーン農業の「環境にやさしい農業」で生産宣言をされています。今回は、「肥後うらら出荷協議会」の会長である田多良龍清さんにお話を伺うことができました。
特産品の柑橘類で他の物産館と差別化を図る
「肥後うらら出荷協議会」では、良いものを適正価格で販売することをモットーに活動をしています。昨年からは「何か特徴のあるものを作ろう」と、果実部会で検討を重ねました。そこで取り組んだのが「木成り完熟果実」です。通常、収穫した後に貯蔵庫などで熟成させて出荷されることが多い柑橘類ですが、木に成ったまま熟成させた方がより甘みが強くなるそうです。しかし、鳥やイノシシに食べられたり、寒さで傷んだりするので、収穫量はどうしても少なくなります。それでも試行錯誤を繰り返しながら取り組み、少しずつ賛同する生産者が増えてきました。「生産者にはできるだけ遅く収穫してもらい、その品種が持つ本来の味を消費者の方たちに提供したいと考えています。」2月から「スイートスプリング」や「はるか」が、3月頃からは「せとか」「不知火」「清見」が旬を迎え、物産館内の「木成り完熟果実販売コーナー」に並びます。
今やっていることの延長にあるくまもとグリーン農業
くまもとグリーン農業については、県の担当者からの説明を聞いて知ったそうです。「田浦地区では、野菜は自分の家で食べる程度の量しか作らない生産者がほとんどです。そのため、できるだけ農薬を使わずに栽培をするよう心掛けています。くまもとグリーン農業の話を聞いて、これならば自分たちが今やっていることと同じことだと思い、ぜひ取り組んでいこうと、生産宣言をしました。」と語ってくれました。物産館「肥後うらら」に出荷している野菜や果物の多くには、生産者の名前とともにくまもとグリーン農業の表示マークが貼られ、専用コーナーを設けて消費者にアピールしています。
勉強を重ねながら田浦ブランドを推進する店づくりを展開
今後は「一人でも多くの生産者が環境にやさしい農業より上のランクを生産宣言できるような活動をしていきたい」と、田多良会長。現在力を入れている先進地の視察や他の道の駅、物産館の視察、勉強会や講習会などと並行して、くまもとグリーン農業についても、もっと勉強していきたいそうです。
また、全国にたくさんある道の駅や物産館との差別化を図るために「今まで以上にくまもとグリーン農業と木成り完熟果実を連動させてアピールしていきたいです。そうすることで、ここに来れば安全・安心で、かつ美味しいものが食べられるという印象を残せるのではないかと考えています。そんな店づくりをこれからも心掛けていきたいです。」とも語ってくれました。お店の信頼性やブランド作りを目指した、他にはまねできない取り組みを、これからも続けていただきたいと思います。