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第2回応援宣言者インタビュー(株式会社山内本店)

「株式会社山内本店」10代目代表取締役社長 山内卓さん

熊本の地下水を守りながら行う味噌・醤油造り

山内さんの写真  今から263年前の宝暦元年(1751年)、熊本市の新町で「梅屋」の屋号で味噌・醤油の醸造を始められた「山内本店」。現在は、品質の高い味噌や醤油を造る時に欠かせない綺麗な水を求めて、菊陽町の原水に拠点を移されています。山内本店の商品は、国内外のスーパーやデパートなど、約2,000店舗で販売されています。
  山内本店では、味噌・醤油を造る時に出る工場からの排水の浄化や、白川中流域の湛水※支援など、地下水を守る取組みを実践されています。平成25年度には、地下水涵養(かんよう)※の取り組みが認められ、第22回「くまもと環境賞」において「くまもと水の国賞」を受賞されるとともに、環境省の「水・土壌環境保全活動功労者」に選ばれました。
※湛水(たんすい)水を溜めること
※涵養(かんよう)地表の水(降水や河川水)が土壌に浸透し、地下水となること

地下水を守る取り組みをきっかけに、くまもとグリーン農業とも積極的に関わる
山内本店さんへのインタビュー動画のサムネイル

  山内本店の味噌・醤油工場では、年間約10万トンもの「阿蘇の伏流水」を、地下約90メートルから汲み上げて使っています。「ただ使うだけではなく、使った分は地下水として返そうと考えました。」こうして平成21年、山内本店は県内の中小企業としては初めて、水循環型農業推進協議会と協定を結びました。湛水の期間や面積に応じて農家に助成金を出すなど、地下水の涵養に貢献されています。これらの取り組みにより、使った量とほぼ同量の水を菊陽町の休耕田などに還元できているそうです。
  「この事業に携わるようになってから、白川中流域でできたお米がくまもとグリーン農業でできたものと知りました。だったら、くまもとグリーン農業も応援しよう、と応援宣言をすることにしたのです。」こうして、全社員57名とそのご家族、合わせて219名の皆様から、くまもとグリーン農業の応援宣言をいただきました。宣言したことによって、今までは何も意識せずに買ってきた商品を、くまもとグリーン農業でできた商品かどうかを意識しながら買うようになったということです。

地下水を守る行動に結びつく「匠の味噌」の商品化

山内本店さんの商品の写真  意識づけだけでなく、くまもとグリーン農業に関連した商品化も進めています。「地下水を涵養してできた米を使って、数量限定で味噌を作ることにしました。この味噌を買っていただくことで、全部で2,500リットルの地下水を涵養することができます。」
  こうして、昨年暮れに完成したのが「匠の味噌」という米と麦の合わせ味噌です。くまもとグリーン農業で作られたお米「水の恵み」(品種:くまさんの力)の新米を使い、約2ヶ月ほどかけて丹精込めて仕込んだそうです。数量限定での販売でしたが、環境への意識が高い人たちに特に好評だったとか。地下水の大切さを改めて意識されたからこそ、購入という行動に結びついたのでしょう。こうした流れが定着することで、使用する涵養米の量が増え、さらに地下水を涵養する水田が広がるという良い循環が生まれます。

個人として、メーカーとして、何ができるか

山内本店さんの外観  山内社長は、これからもっと熊本のことを知り、熊本の農業を活性化させたいと語ってくれました。「くまもとグリーン農業を身近に感じることで、今まで意識していなかったことを意識するようになりました。こうした意識づけは個人でもできますが、メーカーとしてできることは、くまもとグリーン農業の農産物を仕入れて、それを商品化させることだと考えます。まずは、今年も「匠の味噌」を作ることからですね。」今後は涵養米を使った別の商品の開発も考えたいとのことです。新商品の完成が今から待ち遠しいですね。
  山内社長をはじめ、地域の環境を守っている地元の企業から、たくさんの応援をいただいており、本当に心強い応援団が増えました。

第4回生産宣言者インタビュー
第3回応援宣言者インタビュー